シロハラ

秋になると、色とりどりの木の実が熟します。植物は、鳥やサルに種子を運んでもらうために、食べて!!とアピールしているのです。

一方、秋は夏鳥が南へ、冬鳥が北から渡る季節で、木の実は旅の途中の大切な食べ物です。定住している時期と違い、渡りの時はより遠くへ種子が運ばれ、植物にとっても都合が良いはずです。

11月になると夏鳥は去り、冬鳥や高山で夏を過ごした漂鳥たちの姿もそろいます。林の外の明るい場所にいるツグミやジョウビタキ、マヒワ、アトリ、ウソなどはよく目につきますが、林内の地面の近くで活動するシロハラやルリビタキ、カヤクグリの姿はあまり目にしません。

この時期の箱根には、ツグミやシロハラの他に、アカハラやトラツグミといったツグミの仲間がいますが、それぞれ生活の場所が違い、競合することはあまりありません。トラツグミが暗い林内を好むのに対し、シロハラはツルリンドウやチゴユリなどの草が生える明るめの林の中で生活しています。

シロハラは、主に落ち葉の下に潜むミミズやクモ、昆虫などを食べていますが、果実も食べます。晩秋にはツルリンドウの実が赤く熟しますが、一体だれが種子を運ぶのでしょうか?。実の大きさからすると、シロハラが食べるのによい大きさです。

秋から冬は木の葉も落ちて野鳥が見やすい季節です。自然に恵まれた箱根では、身近かな林でも色々な野鳥が観察できます。

ふるさとの仲間たち 箱根生きもの図鑑

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