フクロウ

夜行性のフクロウは、ユーモラスな姿に似合わず、すごい能力を持っています。

前に並んだ大きな目の網膜には、弱い光を感じる細胞がたくさんあり、薄暗い所でも獲物を見つけることができます。

顔が平たくなっていますが、音を顔で受けとめ、耳に伝えるのに役立っています。左右の耳の穴は、上下にずれている他、外耳道の曲がり方も違っています。フクロウは、音が左右の耳に到達する時間差を利用して、暗闇でノネズミがたてる小さな音をたよりに、その位置を知ることができます。横枝に止まって首を傾けたり、頭を上下に動かすのは、獲物の位置を確かめているのです。

しかし、いくら耳が良いと言っても、飛ぶ時にバサバサと羽音を立てれば、小さな音は聞こえないし、獲物にも気付かれてしまいます。ところが、フクロウの羽は柔らかく、翼の風切羽根には切れ込みがあり、音が出ません。ノネズミが気付いた時には、鋭い爪でつかまれているということになります。

このような能力を備えたフクロウも、一時期はほとんど見られなくなったことがあります。最近になって少しずつ増え、芦ノ湖周辺や仙石原、宮城野などで目撃されるようになりました。
森の住人であるフクロウが、昔のように身近かな存在になって欲しいものです。

ふるさとの仲間たち 箱根生きもの図鑑

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