キツネ

箱根では、冬の夜更けにギャオン・・・ギャオン・・・というキツネの声が聞こえることがあります。走りながら鳴いている時は、一声ずつ声が移動して行きます。寒さをこらえて聞いていると、人を化かすなどといった俗信を信じた昔の人の気持ちがわかるような気がします。

キツネは、鼻先から尾の毛まで含めると1・2m近くあり、大きく見えますが、体重は5~7kgと、犬に比べるとかなり軽めです。

すらりとした体型の通り身のこなしは軽く、素晴らしい跳躍力を持っています。足に自信があるせいか開けた場所にも出没し、広い駐車場や住宅地にも出て来ます。疾走している時の方向転換は、太くて長い尾をブンブン振って反動を利用します。尾の先の白い部分が大きい個体がいますが、月明かりの下では、白い玉が動いているように見えます。

体型は足跡にも現われていて、肩幅が狭いために、前足の上に後ろ足が重なった足跡が一直線に並びます。雪の上に残された足跡から、身近かな場所でも活動していることがわかります。

人の近くには、残飯や外にあるネコの餌を目当てに出てくるのですが、野生を失った訳ではありません。キツネはすぐれたハンターで、人には聞こえないノネズミの声を聞いて捕らえたり、地上近くで活動する野鳥や足の速いノウサギも捕らえます。捕まる動物がかわいそうに思いますが、ノネズミやノウサギなど増えすぎて森林被害を与える動物をコントロールする役割も果たしているのです。

ふるさとの仲間たち 箱根生きもの図鑑

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