ニホンザル

ニホンザルは、日中目にすることができる数少ない哺乳類です。平均的なおとなの雄は約13kg、雌で約10kgと体重は軽いものの力は強く、敏捷で高い学習能力を持っています。

ニホンザルによる被害は西湘地区でも例外ではなく、農作物を食害し、人を威嚇するなど問題となっています。

しかし、これらは餌付けなどによって習性が変化した結果とされており、本来の姿ではありません。

ニホンザルは季節に応じて木の実や芽、葉、根、昆虫などを食べ、食物を蓄えることはありません。このため、一年を通して食べ物が得られるよう、多様な植物が生育する広大な広葉樹林を必要としています。多くの種類からなる食べ物の学習は、母親を通じて赤ん坊の頃から始まるそうです。

ところで、植物の中には、タヌキやキツネ、テンなどの哺乳類に食べられて種子を運んでもらうものもあります。ニホンザルの場合は、種子をかみ砕いてしまうこともありますが、丸飲みにした場合は糞と共に排出されます。宮城野で「すいとうぼく」と呼ばれているサルナシも糞から種子がよく出るそうです。

もう一つは、木の実をほほ袋に詰め込み、移動しながら果肉を食べては種子を吐き出す場合です。一か所に落とされる糞と違い、広範囲に効率良く種子が散布されます。ニホンザルも種子の散布者としての役割を果たしているのです。

とは言え、群れの行動圏の湯本周辺だけでなく、宮城野や仙石原、箱根地区にも離れザルが出現することがあります。被害を拡大させないためにも、(餌を)やらザル、(食べ物を)取られザル、(出会っても)かまわザルを守る必要があります。

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