箱根(はこね)生(い)きもの図鑑(ずかん) (13)ヨシノボリ
ヨシノボリは、川底に住むハゼの仲間です。本来は稚魚期を海で過ごす回遊魚ですが、湖や池で一生を過ごす陸封型もみられ、芦ノ湖にはトウヨシノボリとシマヨシノボリが生息しています。
早川の河口から下流にかけては、シマヨシノボリとルリヨシノボリ、オオヨシノボリ、クロヨシノボリの4種類が分布していますが、それぞれ川の中で住み分けています。
シマヨシノボリは、ほほのミミズ状の模様が区別点です。川の下流に分布し、平瀬や淵など流れのゆるい場所にいます。
ルリヨシノボリは、ほほにるり色の斑点があります。流れの速い早瀬の石の下にいますが、急流であれば長さ2kmほどの小さな川にもいます。
オオヨシノボリは、この仲間では一番大きくなり、胸びれのつけねにひし型の黒い模様があります。早瀬でも特に流れの速い場所を好む傾向があります。また、小さくて短い川にはいず、ある程度流程の長い川に分布し、ヨシノボリ類では最も上流にのぼります。
箱根では、川や湖にいるハゼを「かじっか」と呼びます。昔は、湯本を流れる早川や須雲川に「きすかじっか(スミウキゴリ)」、「ボウズカジッカ(ボウズハゼ)」、「だぼ(ヌマチチブ)」など、いろいろな「かじっか」が見られました。
途中に堰堤(えんてい)ができたり、水が汚れたりして、町役場付近までのぼるのは、ルリヨシノボリとオオヨシノボリ、シマヨシノボリくらいになり、最近はその数もめっきり少なくなりました。
しかし、河川環境が改善されれば、回復するでしょう。
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更新日:2016年3月29日