箱根(はこね)生(い)きもの図鑑(ずかん) (8)ノウサギ
箱根地域のノウサギは、キュウシュウノウサギという亜種で冬でも白くなりません。体重は2~2.5kgで、後ろ足が長く発達しています。
雪の箱根山地を歩くと、小さな前足の跡が縦に並び、その前に大きな後ろ足の跡が横に並んだ足跡を目にします。これがノウサギの足跡です。ほかにキツネやタヌキ、テン、ニホンリスなどの足跡もあります。
最近は、動物の足跡をたどりながら、食べ跡やふんなどの生活の跡を観察するアニマルトラッキングを楽しむ人もいます。
ノウサギは、冬の間は細い枝や樹皮を食べており、直径1.5cm前後の、繊維でできた丸いふんが散らばっています。
昔は今よりも多く生息していたそうで、ほかの地方と同様に「わっか」と呼ばれるくくりわななどで捕獲したそうです。前足が短くて下り坂に弱いのを利用して、山の上から下へ追い、大声を出してノウサギがすくんだところを捕えたこともあったそうです。
獣肉を食べるのを嫌った江戸時代でも、ウサギは鳥の仲間だとこじつけて食べていたくらい、おいしかったそうです。 箱根では、1997年ころから流行した疥癬症によってキツネやタヌキが減少したのに対し、ノウサギの数が増えています。本来は夜行性ですが、早朝や夕方に、林の近くの草地や芝生に出ているのを時々目撃します。 ノウサギの子ども ノウサギの足跡(右から左へ移動)
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更新日:2016年3月29日