カヤネズミ

カヤネズミは、名前のとおりカヤ(ススキ)やチガヤ、オギなどが繁る草原に生息しています。

体重が10グラム前後と軽く、長い尾を草に巻いて体を支えるため、不安定な草の上でも自在に活動することができます。  

冬から春までは地中の巣穴で暮らしますが、初夏から秋にかけてはススキやチガヤ、イネなどの長い葉をからめて直径10センチほどの巣を作り、子育てや休息に使います。巣の内部の葉は細かく裂かれてふわふわと暖かそうですが、外側は緑のままなので、外敵に見つかりにくくなっています。  

カヤネズミが住む草原は、かつてはどこにでもあったのですが、現在ではすっかり少なくなり、足柄平野では堤防や休耕田などのわずかな草地に点々と残っているだけです。  

神奈川県内で最も安定した生息地は、仙石原のすすき草原と湿原です。現在、草原や湿原を保存するために、火入れを行っています。  

火入れでカヤネズミがどうなるかと心配する人もいますが、この時期は早春なので地中で暮らしており、火の影響はありません。むしろ、火入れによってすすき草原が広がったことにより、カヤネズミの生息範囲も広がりました。  

草原は、草原にしか住めない動物にとってはかけがえのない生息地です。すすき草原や湿原を保存することは、そこに住む動物たちを保護することにもつながっていきます。

 

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