ニホンリス

ナラやクリの実が落ち始めると、森の動物たちの動きが活発になります。木の実を蓄える動物たちは冬の間の食物を集め、蓄えない動物はたくさん食べて皮下脂肪をつけなければならないのです。  

ニホンリスも木の実が主食ですが、特にオニグルミとアカマツの種子が好物です。オニグルミの木の近くには、合わせ目に沿ってかじり、二つに割って食べたオニグルミの殻が散乱しています。アカマツの木の下には、芯だけになった松ぼっくりが落ちています。  

落ちている食べ跡が真新しいものならば、彼らの活動のピークにあたる早朝に観察すると、見ることができるかもしれません。森林に恵まれた箱根では、室内から見られることも少なくなく、野鳥の餌台のヒマワリの種を食べに来ることもあります。  

毛の色は夏毛と冬毛で変わり、夏毛は赤茶色で、耳の毛は伸びていません。秋が深まると毛が変わり始め、初雪のころには灰色の冬毛となり、耳の毛も3センチほどに伸びます。  

長い毛がふさふさ生えた長い尾を振り、木の枝を伝い、幹を上下する姿はとてもかわいいものです。  

ところで、せっせと運んで地面に隠したオニグルミも、すべてを食べてしまう訳ではありません。食べ残しは芽生えて成長します。樹木は、種子を運んでもらい、分布を広げています。

 

ふるさとの仲間たち 箱根生きもの図鑑

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