ソウシチョウ

ソウシチョウは、中国原産の小鳥で、「相思鳥」という名前は、夫婦仲の良いことに由来するのだそうです。姿も声も美しいため、飼い鳥として古くから親しまれてきました。  

飼い鳥の中には、インコのように逃げ出して野外で繁殖する種類も少なくありませんが、ソウシチョウもその例にもれません。  

箱根山地では、1997年ころから目撃されるようになり、湖尻や大涌谷、小塚、元箱根などで確認されています。冬期には20羽ほどの群れで出現し、このまま定着する可能性もあります。  箱根に鳥の種類が増えるのは良いと思う人がいるかもしれませんが、この鳥が繁殖する環境はスズタケが密生するブナ林で、そこはウグイスなど、日本の小鳥の大切な繁殖場所でもあります。地域によっては、ソウシチョウばかりが目につき、ウグイスの声を聞かなくなった所もあるそうです。  

ソウシチョウと同じ仲間で、原産地も中国のガビチョウも1999年ころから箱根山地で目撃されるようになりました。この鳥はヒヨドリくらいの大きさで、目の周囲に白いくまがあり、漢字では画眉鳥と書きます。  

物おじしない性質で、日本の野鳥と違って冬でもやかましく鳴きます。餌場や水場では日本の小鳥は分が悪そうです。  飼い鳥の野生化は、日本の野鳥にとって脅威となっているようです。

ふるさとの仲間たち 箱根生きもの図鑑

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