箱根(はこね)生(い)きもの図鑑(ずかん) (3)ハコネシジラガイ
ウニオ・ハコネンシスは、1859年に、芦ノ湖産の標本をもとに付けられた、ハコネシジラガイの学名です。しかし、後にマツカサガイと同じ種類とされ、この種名は使われなくなりました。
ところが、1998年になって両者は別の種類として分けられました。ただ、残念なことに、ハコネシジラガイとヨコハマシジラガイが同じ種類とされ、先に書かれていたヨコハマシジラガイの種名が使われることになりました。
近年、芦ノ湖では確認されていませんが、1984年に早川の最上流部で3個の殻が発見されています。聞き取り調査では、仙石原を流れる早川の、湿生花園入口付近にあった水門の上流側にいたそうです。
カラスガイの仲間は、幼生の時期を魚のひれに寄生するため、貝だけで繁殖できません。生息場所は湖や池と、そこから流れ出るゆるやかな川です。生息の可能性のある場所は限られていますが、どこかに生き残っていて欲しいものです。
なお、芦ノ湖の湾内には、カラスガイの仲間のドブガイがいます。アノドンタ・ハコネンシスという学名が付けられたこともありましたが、今は使われていません。仙石原では「かたっかい」と呼び、湖尻のトウゴブチからバケツに何杯も取ってきて食用にしたそうです。
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更新日:2016年3月29日