歴史を知ると、箱根はもっとおもしろい
 常設展示室では、箱根温泉が「七湯」であった江戸時代から、現在の「十七湯」となるまでの歴史をたどりながら、湯治場から物見遊山、そして温泉観光地へという温泉の利用形態の多様化や、道路や交通機関の整備をはじめとする、さまざまな近代化の動きをご覧いただきます。

箱根七湯の時代~湯治場から温泉観光地へ

箱根湯治

 江戸時代、箱根には湯本温泉をはじめとして、七つの温泉場がありました。
 当初、これらの温泉は「湯治」といって、病気療養やけがの治療などに用いられていました。やがて、文人・墨客たちによって温泉場周辺の景色や寺社仏閣、史跡などが発見され、各地に名所が生み出されるようになりました。また、庶民によるお伊勢参りなどの旅が盛んになったことで、箱根をとおる東海道も賑やかとなったのです。こうした動きの中で、湯治にとらわれない、物見遊山や旅の途中の一泊宿泊などの利用形態が多様化し、箱根は次第に温泉観光地へと動いていくこととなります。

展示コーナー

○箱根七湯の成立
○献上湯と大名湯治
○湯治場・箱根
○一夜湯治事件
○温泉観光地への動き

近代の観光開発~箱根七湯から箱根十七湯

富士屋制服

 明治時代になると、箱根十七湯を中心に道路網や交通機関、発電所など、さまざまなインフラ整備が急速に進みます。また外国人たちの来遊や、別荘の登場など、観光形態も多様化していきます。その中で、温泉の利用技術の進歩もあって、各地に新たな温泉場が開かれていきます。
 ここでは、箱根十七湯の近代化だけでなく、全山が温泉観光地化していく近・現代の流れを、それぞれの地域に即しながらご覧いただきます。

展示コーナー

○近代化の波
○国際観光地・箱根
○別荘時代の到来
○新たな温泉の開発
○山間村落の開発
○外国人リゾート・箱根
○箱根土産
○生まれ変わる文化財
○温泉観光地・箱根
○箱根十七湯