令和5年6月2日付けで公表しました「箱根町環境センターにおけるダイオキシン類の排出基準値超過について」に関しまして、下記のとおり改善対策を行い、11月15日に排出ガス中のダイオキシン類濃度の測定を実施したところ、ダイオキシン類対策特別措置法等で定められている大気排出基準値を適合する結果を得ました(測定値:0.29ng-TEQ/㎥N、排出基準値:1.0ng-TEQ/㎥N)。この結果を、関連法令を所管する神奈川県に報告し、再稼働の承諾を得られたので、12月11日より焼却処理を実施しています。

 今回のダイオキシン類排出基準値超過により、皆様方には多大なるご心配をおかけし、大変申し訳ありませんでした。今後は、再発防止に努め、引き続き安全で安心な施設の運用に向けた取り組みを進めてまいります。

1.経過

令和5年3月17日 排出ガス中ダイオキシン類濃度の定期測定実施。
令和5年4月17日

排出ガス中ダイオキシン類濃度測定結果受領。基準値を超過していたため、焼却炉2炉の運転停止。神奈川県に対し報告。

測定値:1号炉…3.6ng-TEQ/㎥N、2号炉…2.2ng-TEQ/㎥N 排出基準値:1.0ng-TEQ/㎥N

令和5年4月18日 県による立ち入り検査実施、改善指示書を受領。
令和5年5月12日 県に対し、原因と改善の方策について中間報告書を提出。
令和5年7月24日 県に対し、改善計画書を提出。
令和5年11月15日 排出ガス中ダイオキシン類濃度の測定実施。
令和5年11月21日

排出ガス中ダイオキシン類濃度測定値が基準値に適合していたことを確認。

測定値:2号炉…0.29ng-TEQ/㎥N 排出基準値:1.0ng-TEQ/㎥N

令和5年12月6日 改善完了報告書を提出。
令和5年12月7日 県から、改善対策の完了について承認される。
令和5年12月11日 焼却処理を再開。

 

2.原因

 プラントメーカー協力のもと調査を行った結果、主原因として以下の2点を特定しました。

(1)排気ガス中に含まれる灰を捕集するバグフィルター設備の除去機能の低下

(2)燃焼状態に合わせた空気供給の不良

 

3.対策

 改善対策としまして、(1)原因となった設備等の補修、(2)再発防止のため施設の運転・維持管理体制の改善を行いました。

 また、整備方針としまして、箱根町環境センターでは従前1号炉、2号炉の2炉運転を行っていましたが、双方とも修理を行うと費用が高額となってしまうこと、町焼却施設は、足柄下郡可燃ごみ共同処理開始により令和7年9月末を持って終了することを鑑み、2炉ある焼却炉のうち、比較的状態の良い2号炉のみ補修工事を行い、今後は2号焼却炉1炉で焼却処理を実施すること、観光シーズン等、ごみ搬入量が焼却処理量を超過する場合は、必要に応じて近隣自治体等に処理を依頼することとしました。

(1)設備等の補修

  原因となった以下の設備の補修、更新を行いました。

 ・バグフィルタ設備:ろ布更新、躯体補修等

 ・有害ガス除去装置:分解整備、消耗品交換

 ・ガス冷却室・ガス調温室:噴射ノズル、電磁弁・逆止弁補修・更新

 ・給じん設備:コンベア更新、躯体補修、切断機補修等

 ・砂循環設備:ダンパ類補修、エキスパンション更新、消耗品交換

 ・焼却炉制御装置:流動化制御装置補修、炉内監視カメラ更新等

(2)施設運転・維持管理体制の改善

 排出ガス中のダイオキシン類濃度の基準値を遵守するため、運転・作業マニュアル、維持管理マニュアルを見直し及び作成し、運転管理の適正化を図るとともに、プラントメーカーによる運転方法並びに保守点検に関する研修を行い、安全意識や運転技術の向上に努めました。

 

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