水質検査は、水道水の安全性を確認するために不可欠であり、水道における水質管理の中核をなすものです。
水質検査計画とは、水質検査の適正化を確保する為に、水質検査項目等を定めたものです。

目次

1. 水道事業の概要

(1) 各地区の配水方法

  1. 湯本地区 (検体4)
    3ヶ所の水源(表流水2ヶ所、湧水1ヶ所)の水(原水)を葛原浄水場(急速ろ過法)で処理し塩素消毒後、自然流下にて湯本茶屋浄水場の配水池に送水しています。葛原浄水場では、精密濁度計、残留塩素計にて24時間の水質監視を行っています。
    湯本茶屋浄水場では、1ヶ所の水源(表流水)の水を緩速ろ過法で処理し、塩素消毒後、葛原浄水場からの水道水と混合し、自然流下を基本に5ヶ所で減圧しながら給水しています。湯本茶屋浄水場でも精密濁度計、残留塩素計にて24時間の水質監視を行っています。
  2. 大平台地区 (検体1、合流後採水)
    2ヶ所の水源(湧水)から取水し、紫外線照射処理、塩素消毒後、自然流下で給水しています。残留塩素計にて24時間の水質監視を行っています。
  3. 小涌谷、宮ノ下、二ノ平地区 (検体4)
    5ヶ所の水源(湧水3ヶ所、地下水1ヶ所、予備地下水1ヶ所)から取水し、塩素消毒後、自然流下を基本に2ヶ所で減圧しながら給水しています。残留塩素計にて24時間の水質監視を行っています。
  4. 箱根、元箱根,畑宿、芦之湯地区(7検体)
    7ヶ所の水源(湧水2ヶ所、地下水5ヶ所)から取水し、塩素消毒後、自然流下を基本に12ヶ所で減圧しながら給水しています。残留塩素計にて24時間の水質監視を行っています。

(2) 給水状況 (令和3年度町営水道事業年報)

 
給水人口 4,521人
給水普及率 89.2%
給水栓数 3,330栓
1日平均配水量 4,898m3/日
1日最大配水量 9,153m3/日

 

(3) 浄水場施設概要

 
浄水場名 葛原浄水場 湯本茶屋浄水場
所在位置 箱根町湯本茶屋字葛原 箱根町湯本茶屋字馬立場
給水区域 湯本地区 湯本地区
原水の種類 表流水,湧水 表流水
処理能力 3900m3/日 800m3/日
沈殿地 横流式(傾斜板付)  
ろ過方式 急速ろ過池(砂ろ過) 緩速ろ過池
使用薬品 凝集剤 超高塩基度PAC
消毒剤 次亜塩素酸ナトリウム
消毒剤 次亜塩素酸ナトリウム

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2. 水源の水質状況と水質管理

湧水、地下水につきましては、良好な水源ですので、塩素消毒後給水しています。表流水につきましては、降雨による濁水の発生が見られますが、適切な浄水処理を行うことで、安全で良質な水道水の供給につとめております。水道水は、これまでの検査結果によると、水質基準を十分満足していることから、安全で良質な水です。

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3. 水質検査計画    令和5年度箱根町水道事業水質検査計画.pdf(PDF/995KB)  

(はじめに)
 日頃から町民の皆様が安心して飲んでいただける水道水を供給することを最優先に考え、これまでも水道法に基づいた適切な水質検査を実施してまいりました。当町の水質検査の透明性を確保し、適正に水質検査が実施されていることを町民の皆様にご理解いただけるよう、検査の地点、項目、頻度及び検査方法等を明記した令和2年度水質検査計画を策定し、ここに公表するものです。

(1) 基本方針

  1. 検査地点は、水質基準が適用される蛇口及び水源とします。
  2. 検査項目は、1年間の水質変化と、安全であることを確認する為、水道法で検査が義務付けられている水質検査基準項目(51項目)の検査を行います。
  3. 原水(水源)の検査では、消毒副生成物を除いた40項目の検査と、原虫の指標となる大腸菌、嫌気性芽胞菌の検査を行います。
  4. 上記1から3の検査とは別に表流水を水源とする浄水と、水源水の放射能の測定をゲルマニウム半導体検出器にて行います。

(2) 水質検査項目と検査頻度

  1. 給水栓
    • 水質検査項目
      表1の水質基準項目51項目について検査(10ヶ所)を行います。また、毎日検査につきましては、表3に示す1日1回行う検査項目について検査(11ヶ所)を行います。
    • 検査頻度
      表1の項目中、No1、2、38、46~51の9項目については、月1回検査を行います。表1のその他の項目については、「検出しない」という結果が、「安全性」や「安心」を担保することから、年4回検査を行います。
  2. 水源
    • 水質検査項目
      水源の状況を把握するのに必要な項目について、検査を行います。
    • 検査頻度
      水源の状況に応じて、表1,2のとおりの頻度で検査を行います。病原微生物の指標菌(大腸菌、嫌気性芽胞菌)及び、クリプトスポリジウムの検査もおこないます。

(3) 検査採水地点

  1. 給水栓(10ヶ所)
    各配水地の系統別に水質基準項目の検査(採水)を実施する末端の給水栓。
    • 湯本地区:葛原浄水場の末端である「湯本茶屋浄水場」の給水栓。
    • 湯本地区:湯本茶屋浄水場の末端である「モニター宅」の給水栓。
    • 大平台地区:大平台第2配水池の末端である「モニター宅」の給水栓。
    • 宮ノ下地区:宮ノ下配水池の末端である「温泉出張所」の給水栓。
    • 小涌谷地区:鷹ノ巣配水池の末端である「モニター宅」の給水栓。
    • 二ノ平地区:二ノ平配水池の末端である「モニター宅」の給水栓。
    • 大芝、畑宿地区:大芝第2ポンプ場の末端である「モニター宅」の給水栓。
    • 元箱根地区:元箱根第1配水池の末端である「モニター宅」の給水栓。
    • 箱根地区:箱根第2配水池の末端である「モニター宅」の給水栓。
    • 箱根地区:箱根第1配水池の末端である「モニター宅」の給水栓。
    さらに、水道法に基づく1日1回の検査は、各配水系統別に、地点を選定し、11ヶ所で検査を行います。
  2. 原水(16ヶ所)
    二ノ戸沢水源、大沢水源、天狗沢水源につきましては、葛原浄水場で採水します。
    初花水源は、湯本茶屋浄水場で採水します。大平台水源、蛇骨川水源につきましては、各配水池で採水し、その他の水源(10ヶ所)につきましては、各水源で採水します。

(4) 臨時の水質検査

水源等で、次のような水質変化があり、その変化に対応した浄水処理を行うことができず、給水栓の水で水質基準を超える恐れがある場合は、直ちに取水を停止して、必要に応じて、水源、浄水場、及び給水栓などから採水し、臨時の水質検査を行います。
 

  1. 原因不明の色及び濁りに変化が生じるなど、水質が著しく悪化したとき。
  2. 臭気等に著しい変化が生じるなどの異常があったとき。
  3. その他上下水道温泉課が必要と認めるとき。


臨時の水質検査は、水質異常が発生したとき直ちに実施し、水質異常が終息し、給水栓の水の安全性が確認されるまで行います。

(5) 水質検査の方法と委託する内容

  1. 水道水質検査においては、その精度と信頼性の保証は、極めて重要です。そのため、水質検査を委託した登録機関に対し、水質検査の精度管理に関する実施報告書の書面審査を実施し、水質検査精度の向上と信頼性保証に努めていきます。
  2. 水質検査、成績書の発行までの業務を、水道法第20条第3項による厚生労働大臣登録機関に委託します。
  3. 水質基準項目(51項目)において、全ての項目が自社分析できる検査機関とします。

(6) 水質管理において留意する事項

  1. 浄水の水質検査結果を基に、水質の安全性を判定し、評価を行います。また、原水に関しても同様の評価を行って、浄水管理の指標とします。
  2. A水質検査計画は、過去の検査結果等を考慮して、毎年見直しを実施していきます。
  3. B検査計画以外の項目に関しては、必要があれば、臨時の水質検査として取り入れていきます。

(7) 関係者との連携

水質汚染事故が発生した場合は、速やかに県の関係機関に通報し、必要な助言を受けるとともに、素早く的確に対応できるよう、水質検査委託機関との連携に努めます。

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4. 検査計画及び結果の公表

水質検査計画と検査結果につきましては、町役場、出張所窓口に備えるとともに、ホームページで公表します。また、これらの事項につきましては、町民の皆様からご意見をいただいて、水質検査計画の見直しを行い、より安全で安心できる水道を目指します。

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